運輸業と規制緩和その6

運輸業と規制緩和その6

運輸業の規制緩和は一方で業界の健全化を図る規制とセットでやらなればならなかったのに、日本ではそれが行われなかったのです。

例えば市場自由主義と目される米国でも、規制緩和を行うのと同時に社会的規制や運送会社の違法行為を厳罰に処す取り締まりは強化しています。

ところが日本の国土交通省、当時の運輸省は、社会的規制に重要な規制強化をしないままに、競争規制の緩和だけ推進したのです。

その結果どうなったかというと、大変危険な過積載や車両整備の手抜きやドライバーに対して長時間労働の強要、そして、ドライバーの社会保険未加入などの違法行為が平然と行われる事態になってしまったのです。当然、こんな規制緩和が行われた事で、重大事故も頻発するようになりました。

さらに悪い事に、社会的義務を放棄すれば、運行コストは下がるので、悪質な業者は低価格を武器に、真面目に社会的義務を果たす運送会社から運送する荷物を奪うことが蔓延しました。

規制緩和政策を推し進めた当時の運輸省の官僚たちは、誰も現在起っている市場の混乱を予期すらしていなかったはずです。

運輸省が規制緩和を推し進めた時にしなければならなかったことは、運輸業界の健全な競争を監督する市場の“番人”になることだったのです。

この結果、この混乱した運輸業界で一番貧乏くじを引いたのは、日本では中小零細の運輸業者のドライバーなのです。低賃金の長時間労働が罷り通る現行の規制緩和は、すぐにでも国交省が違法行為等を監督する健全に市場へと変えなければならないのです。

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